四十九・饒河の街
昭和十八年八月に進駐。最初の二ヶ月間を民家で過ごす。
*補足(藤本)
石坂准尉はここ饒河(じょうが)の国境警備の任に就くためにハルビンを去った。国際都市ハルビンの華やかさに比べれば、饒河の寒々しい雰囲気は絵から充分伝わってくる。しかし、私のような感傷は地方人ならではの落胆であって、石坂准尉は何のこともなく、新たな任務に闘志を燃やしたのであろう。
←前の絵
次の絵→
戻る