二十五・戦死者の火葬



 原平鎮の戦闘で戦死した大隊長植田少佐以下六十八名の火葬。

*補足(藤本)
 涙、涙、涙の戦死者の火葬である。このときの石坂准尉の気持ちを思うと胸が引き裂かれそうになる。
 第七中隊の中隊長・森大尉は責任を強く感じ、しょんぼりとしていたそうだ。それもそのはず、百五十名いた隊員のうち元気なのは森大尉以下わずかに十六名(石坂准尉含む)。それ以外の兵隊は戦死傷者として後送された。しかも「元気なのは」と述べたが、生き残りの一人である石坂准尉も足のつけ根に銃創を負っているのだから、事実上、中隊玉砕という表現が正しい。

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