三十六・歩兵第三十連隊本部



 兵舎から五百メートルの地点にあり。命令受領のため、毎日ここを訪れる。

*補足(藤本)
 石坂准尉が北支に出動したときの階級は一等兵である。ただの兵卒なので、単に上官の命令に従っていればよかった。しかし、陸軍軍曹となると状況は変わってくる。切り盛り役の下士官として頭脳労働をしなければならず、ある程度の独断裁量をもおこなわなければならない。今までと異なった仕事に石坂准尉は戸惑ったことだろう。

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