六十一・沖縄本島よさらば



 捕虜収容所生活七十日、昭和二十一年三月二日出所。同日、沖縄港出帆。内地帰還の途に就く。

*補足(藤本)
 画面左手の破壊し尽くされた建物が戦いの激しさを物語っている。対照的にわが物顔で飛行する米軍飛行機は、胴体に描かれた星の印も輝かしく、勝利者としての自信にあふれているように見える。
 祖国は敗れたのだ。本土決戦こそなかったものの、沖縄は完全に廃墟と化した。しかし、住民が一致して軍に協力し、ともに苦労を分かち合った功績は永遠不滅である。尊い犠牲者を出し、町もなくなってしまったが、わが国の美談として沖縄県民の活躍はこれからも記憶されることだろう。
「沖縄県民斯ク戦ヘリ県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」


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