陸上自衛隊高田駐屯地郷土記念館


 一部ではあるが、陸上自衛隊高田駐屯地郷土記念館に展示されている、歩兵第三十連隊関係の資料を公開する(掲載写真は全て、平成二十二年十月二十七日撮影)
 なお、同記念館に関する情報は以下のリンク先を参照してほしい。

郷土記念館の紹介
http://www.mod.go.jp/gsdf/eae/1eb/5eg/kyoudo.pdf
http://www.mod.go.jp/gsdf/eae/1eb/5eg/kinennkan/kinennkann.html



歩兵第三十連隊の軍旗(複製)




歩兵第三十連隊の軍旗の写真


     勅語
歩兵第三十連隊ノ為ニ軍旗一旒ヲ
授ク汝軍人等協力同心シテ益々威
武ヲ宣揚シ以テ我帝国ヲ保護セヨ
     奉答文(連隊長)
敬テ明勅ヲ奉ス臣等死力ヲ竭シ誓テ
国家ヲ保護セン



舟見幸蔵の掛け軸


 歩兵第三十連隊歴史平時の美談なる陸軍歩兵上等兵林碓雲の活きたる内務書に就ての記
或る一事或る一行に就て模範とせらるるは必ずしも難しとせず一言一行悉く模範とせらるるは聖人
君子と雖も亦難しとする所である大正二年十二月より同四年十一月末まで第十中隊に入隊していた
林碓雲の如きは殆んど其一挙一動を模範とするに足り活模範と称せられてえた新潟県古志郡上組
村の出身にて七歳の時長岡市興国寺に入つて僧となり長岡中学校を卒業後一年志願兵とはならず普通
兵役に就て連隊が満州駐剳中に入隊した者である固より是と言て特に激賞を受ける程の華々しい行為はない
例えば 皇太后陛下御不例の旨を達せらるゝや私に人の至らぬ物陰に至りて遥拝し陛下の平癒を祈願するとか上官
より𠮟責せらるゝ者あれば之れを懇に慰めつゝ而も上官の説諭の徹底するやう又上官を恨む如き不心得のなき様
親切に諭すとか厠に軍人手帳を落した者あつた時其中には勅諭の記載しあるに非ずやとて自ら壷中より拾ひ上げて水にて
清め其落し主に返し与えるとか班内に在つて曽て古参者の右に座を占めたことがないとか舎内及営庭を往復の際紙
屑などの落ちてえるを発見すれば拾取つて一定の容器に入れておくとか又塵芥中に木炭の小塊等の混じ
居る時は之を拾ひ出し遠方に散つて居る石炭塊を発見する時は拾い取て集積所に入れて置くとか是等は極めて
微細の事にて而も常人の難しとする所である又十日目毎に支給せらるる給料も決して浪費せず在営二年
の間飲食の為めに費した金額は僅かに拾五銭に過ぎなかつたといふ真に活きた内務書を見るやうな心地がする
 注右は大正三年秋満州旅順駐箚中第十三師団長陸軍中将秋山好古閣下の上聞に達し此栄誉を得られたるものなり
      昭和四十一年秋新潟県高田市南城町三丁目百〓庵迂人八十六叟 舟見幸蔵謹書



満州事変歩兵第三十連隊行動一覧表




歩兵第三十連隊長の職印と認識票




集合写真(歩兵第三十連隊)




歩兵第三十連隊将校




舟見幸蔵が描いた、馬場・川崎両連隊長


日露戦役六十周年に
当り明治三十七八年
戦役出征中の
野戦歩兵第三十
馬場、川崎両連隊長
面影を偲で
昭和四十年十月
      従軍者舟見幸蔵
             謹書


歩兵第三十連隊長 陸軍歩兵大佐馬場命英



明治三十七八年日露戦役中
野戦歩兵第三十連隊長
   陸軍歩兵大佐馬場命英


歩兵第三十連隊長 陸軍歩兵中佐川崎寅三



明治三十七八年日露戦役中
野戦歩兵第三十連隊長
   陸軍歩兵中佐川崎寅三



『戦闘詳報』

『天鎮東北方高地付近戦闘詳報』(歩兵第三十連隊)


『鎮辺付近戦闘詳報』(歩兵第三十連隊)


『鉄角嶺付近戦闘詳報』(歩兵第三十連隊)


『崞県付近戦闘詳報』(歩兵第三十連隊)


『原平鎮付近戦闘詳報』(歩兵第三十連隊)


『南庄頭付近戦闘詳報』(歩兵第三十連隊)


『太原付近戦闘詳報』(歩兵第三十連隊)



*補足(藤本)
 上掲の計七冊の戦闘詳報は防衛研究所にも納められているが、高田駐屯地郷土記念館が所有している原本を複写したものにすぎない。また、ウェブサイト「アジア歴史資料センター」で公開されているものも、防衛研究所の複写資料をデジタルデータ化した代物である。
 さて、複写資料は、複写時にどうしても劣化してしまう問題が生じる。例にもれず、防衛研究所が所有している複写資料も、ところどころの文字がつぶれて読めなくなっていたり、カラーの箇所が白黒になっていたりする。


*補足二(藤本)
 各戦闘詳報において分からないところがあれば、私あてに気軽に連絡してほしい。私は高田駐屯地に出向いて原本を確認しているので、各戦闘詳報の判読作業を終えている。郷土研究などの活動には、できるかぎり協力したい。


*補足三(藤本)
 高田駐屯地郷土記念館は歩兵第三十連隊に関する主要な書籍をそろえている。歩兵第三十連隊の歴史に興味のある方は一度は郷土記念館に足を運んだ方がよい。



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