十一・下士官候補者教育隊〜五常



 昭和十二年五月、下士官志願試験に合格し、五常下士官候補者教育隊に入隊した。八月、出動命令下り、下士官候補者教育隊は解散、原隊第七中隊に復帰し、北支戦線に急いだ。
 十一月、山西省太原攻略に成功したわが部隊は任務を終え、満州に帰還した。私は再度教育隊に入隊し、昭和十三年五月に卒業、陸軍伍長に任官した。

*補足(藤本)
 支那事変勃発により、中途で下士官候補者教育隊は解散するという思いがけない事態が起こったが、帰還後の昭和十三年五月に再入隊し、全課程履修、ここに帝国陸軍下士官・石坂辰雄が誕生するのである。

←前の絵 次の絵→



戻る