地球連邦軍 vs 恐竜 エロマンガ決戦


タイトル

terran_federation_army_vs_dinosaurs.zip

↑無料版のダウンロードリンク(ZIP。約32MB。要プリントアウト)


*本作には、無料版と有料版があります。
ゲーム自体は、無料版で全て遊ぶことができます。

 有料版(限定5セット)は800円で頒布しております(別途、送料164円)
 私あてに「頒布希望」のメールを送っていただくか、ヤフオクに出品している同商品を落札してください。
 なお、見本とは若干、ケースやシールなどの形状が異なっていることがあります。
 あらかじめ、ご了承ください。
完売いたしました!



ゲーム名
地球連邦軍 vs 恐竜 エロマンガ決戦
ジャンル
ミリタリー
プレー人数
1名
プレー時間
約30分
対象年齢
10歳以上
用意するもの
必須――鉛筆、消しゴム、さいころ×1(6面体)
便利なもの――電卓



◎有料版の見本

プラスチックケース〔タイトルシール貼付〕×1、取扱説明書〔約30ページ〕×1、メーンシート×1、兵隊カード×7、兵隊フィギア×7、恐竜フィギア×5、さいころ×1〔6面体〕、電卓〔ロゴ入り〕×1、データディスク×1、絵はがき×1、円形シール〔Sex Bazookas部隊章〕×1



中身

兵隊と恐竜

取扱説明書とメーンシート



■ゲーム紹介

一、概要

 共産主義の隆盛・アポロ計画・公民権運動などが存在せず、その国力の全てを、軍備の増強に傾倒したアメリカが覇者になった、もう一つの世界……。
 西暦1969年、原水爆技術を独占し、その無制限の使用をいとわないアメリカによって、世界は統一される――地球連邦の誕生である。しかし、その数ヶ月後、世界各地に恐竜が出現し、連邦諸国は大混乱に見舞われる。
 オーストラリアのクィーンズランド州に位置する小さな町・エロマンガにも、恐竜の魔の手が迫っていた。
 この事態に対し、歩兵第69連隊内の懲罰部隊――通称「Sex Bazookas」に属する、マンコビッチ 分隊に命令が下る。

◇「Sex Bazookas」隊長・オナラスカ 大尉、副隊長・バカ 少尉、小隊長・少尉某
「命令、マンコビッチ 軍曹以下、兵一個分隊は、隊本部北方、独立第072小哨(しょうしょう)の線において同地の警備に当たるとともに、エロマンガ北辺域の敵情を収集、隊の目となれ」

◇分隊長・マンコビッチ 軍曹
「復唱、マンコビッチ 軍曹以下、兵一個分隊は、隊本部北方、独立第072小哨の線において警備に当たり、エロマンガ北辺域の敵情を探って、随時、本隊に通報いたします」

 ――地球連邦軍と恐竜の戦いが、今はじまる。


二、特色

◎「タダ」

 有料版を無理して購入する必要はありません。無料版で、ゲームの全てをプレーすることができます。本作品を気に入ってくれた方に向けて、有料版を用意したにすぎません。
 タダですので、試しにプレーしてみてください。
 著作権も放棄しておりますので、ゲームの改造なども自由です(一応、著作権表示がありますが、〔デザイン上の格好つけ〕です。無視してもらって結構です)

◎「1人用」

 ボードゲームというと、複数名でプレーするものが多いのですが、本ゲームはソリティア(1人用)です。
 気だるい休日などに、本ゲームを取り出してきて、コーラとポテチを飲み食いしながら、1人で遊ぶことができます。
 対戦相手は必要ありません。
 私の個人的な意見なのですが、遊びは1人でするからこそ、楽しいのです。

◎「世界一、卑猥(ひわい)なゲーム」

 非18禁の非電源ミリタリー・ゲームの中では、世界一、卑猥(ひわい)なゲームだと自称し、自省しております。
 ネーミングセンスなどに顕著に表れているのですが、本ゲームの全編にわたって、キワドイ言葉が頻出します。しかし、ゲームの内容は、至って、真面目なのが、妙な落差を生んでいると思います。
 冗談なのか本気なのか、そこら辺の微妙なニュアンスをくみ取っていただけたら幸いです。

◎「女性お断り」

 本来、ミリタリーという趣味は「女性お断り」の硬派な世界であったはずなのですが、いつの間にやら、『ス○パン』『ガ○パン』『艦○れ』などに浸食されてしまって、現在のミリタリー界は「萌え」に完全敗北し、転進を余儀なくされております。
 みなさんが子供のときに、タミヤ模型のプラモデルを作っていた頃とは、あまりにも状況が変わってしまって、憤懣(ふんまん)やるかたない、という方もいらっしゃると思います。
 しかし、ご安心ください。
 本ゲームには、「萌え」要素は一切、ありません。
 いじめ抜かれた野郎(兵隊)たちしか、出てきません。
 本作は、汗・泥・血・硝煙にまみれた、希望なき漢(おとこ)たちの物語です。しかし、彼らは決して、誇りを見失うことはありません。
 古き良き、ミリタリー世界が、ここにあります。

◎本ゲームの作風

 『月は無慈悲な夜の女王』と『宇宙の戦士』をかけ合わせたようなもの――。
 それが本ゲームです。
 ロバート・A・ハインラインのSF小説が好きな方であれば、それなりに楽しめると思います。

◎「俺、一度、兵隊になってバケモノと戦ってみたかったんだ」

 私が子供の頃は、目を輝かせて、恐竜の図鑑に見入ったり、ゴジラなどの怪獣映画を見たりして、心を躍らせたものです。
 一度でいいから、軍隊に入ってバケモノと戦ってみたかった、と、今になっても思います。
 そうした、中二病のような願望を本作に込めています。
 つまり、このゲームをプレーすれば、バケモノ退治(恐竜退治)の夢を実現させることができるのです。そして、悪い大人たち(圧制者)を懲らしめる要素もあります。
 子供心を全開にして、本ゲームと戯れてください。
 いつまでも子供のまま、という、「本当の大人」でいる意味を、再確認いたしましょう。

◎「分岐するストーリー」

 単にゲームをするだけでは味気ないと思い、4つのシナリオを用意いたしました。
 ゲーム結果によって、物語が分かれるのです。そして、4つのシナリオをクリアすると、最後の第5シナリオが開放されて、エロマンガサウルスとの最終決戦と相成ります。
 登場人物の紹介や、このストーリー部分を読んでいただけたら、アメリカが世界を制した、独特のディストピアが眼前に立ち現れると思います。
 誰もが知っているであろう、血まみれのアメリカ史(インディアン虐殺、原子爆弾の投下など)が、本作品に大きな影響を与えています。

◎「お手軽さ」

 本ゲームで使用するものは、鉛筆・消しゴム・さいころ1個・電卓だけです(もしも、さいころや電卓がなかったら、スマートホンのアプリなどで代用できます)
 どこの家庭にもある、最低限の物品で、本作をプレーすることができます。

◎「攻略法の模索=楽しさ」

 本作のゲームシステムを読み解いて、最適な判断を繰り返せば、高得点を狙えます。
 本作への取り組み方としては、この最適な判断とは何か、を探す作業になるかと思います。
 ご自身が指揮官になったつもりで、さいころの目のような不確実な要素を織り込みながら、今、なすべきことは何なのか、という点を洗い出すのです。
 全体を俯瞰(ふかん)して、攻略法を組み立てていくことが、本ゲームの楽しみ方の一つとなります。


三、ゲームの大まかな流れ

1、まずはゲームをはじめる前に、「攻撃補正」を1マス、「弾薬」を5マス、「糧秣」を5マス、「救急パック」を1マス、鉛筆で塗りつぶしてください。

2、全9体いる敵のうち、1体を任意に選んでください――戦闘開始です。ここでは、戦闘力が一番低い「暴徒」を、最初の目標とします。

3、「分隊Level」の数だけ、戦闘に兵隊を送り込むことができます。ゲーム開始時は、「分隊Level」が2なので、はじめは最高2名まで、兵隊を戦闘に投入することができます。

4、マンコビッチ 軍曹とオチンコ 伍長を、対「暴徒」戦に送り込むことにしました。

5、マンコビッチ 軍曹とオチンコ 伍長の攻撃力(さいころを振ることができる回数)は、合わせて、「さいころ3振り」なので、計3回、さいころを振ります。

6、さいころの出目は、「6」「3」「4」でした。つまり、「攻撃命中点」は「13」となります。そして、マンコビッチ 軍曹の「戦闘参加点」が「15」、オチンコ 伍長の「戦闘参加点」が「5」なので、「戦闘参加点」は合わせて、「20」となります。
 「攻撃命中点」の「13」と、「戦闘参加点」の「20」を、それぞれ、「暴徒」の枠の記入欄に書き込みます。
 「暴徒」の戦闘力は「6」、「攻撃命中点」は「13」だったので、この戦いに勝利しました。

7、戦闘が終了したので、マンコビッチ 軍曹とオチンコ 伍長の個人「Level」を、それぞれ、1つずつ塗りつぶして、「Level」アップさせます。これにより、マンコビッチ 軍曹とオチンコ 伍長は、「Level」ゼロから「Level」 1に、それぞれ上がりました。

8、「暴徒」から得た「経験値」 1を、分隊「Level」に振り分けました。これにより、分隊「Level」は3となり、次の戦闘から、兵隊を最高3名まで送り込めるようになりました。

9、残り8体いる敵のうち、1体を任意に選んでください――戦闘開始です(全9戦が終了するまで、この一連の流れを繰り返してください)


四、ゲームのルール

 あなたは地球連邦軍の懲罰部隊に属する、マンコビッチ 分隊を指揮して、恐竜をはじめとする敵と戦っていきます。
 戦闘は全9戦です(最終決戦を除外)
 まずは、「メーンシート」の「マンコビッチ 分隊能力値」欄に記載されている、各マスを鉛筆で塗りつぶしてください(「攻撃補正」を1マス、「弾薬」を5マス、「糧秣」を5マス、「救急パック」を1マス)
 この作業が終わったら、以下に説明するプロセスを反復して、ゲームを進めていきます。全9戦を戦い抜いたところでゲーム終了です。

①「敵戦闘力・経験値および、攻撃命中点・戦闘参加点記入表」(「メーンシート」)欄に記載されている、全9体いる敵のうち、1体を任意に選んでください――戦闘開始です。
 「分隊Level」の数だけ、戦闘に兵隊を送り込むことができます。ゲーム開始時は、「分隊Level」が2なので、はじめは最高2名まで、となります。
 兵隊カードに記載されている「さいころ○振り」の分だけ、さいころを振ってください。全ての兵隊がさいころを振り終えたら、その合計数を「攻撃命中点」欄に記入してください。また、その戦闘に参加している兵隊の「戦闘参加点」の合計数を「戦闘参加点」欄に記入してください。

*「攻撃補正」
 戦闘に際して、さいころの出目が好ましくないときは、「攻撃補正」をかけて、さいころを振り直すことができます。使用した「攻撃補正」の分だけ、「攻撃補正」欄から消してください。ゲーム開始時は、「攻撃補正」をかけられる回数が1ですので、最初は一度だけ、さいころを振り直すことができます。
 なお、振り直したさいころの出目が、振り直す前のさいころの出目よりも好ましくなかったら、振り直す前のさいころの出目を採用することができます。ただし、そうしたからといって、「攻撃補正」を使用しなかった、ということにはなりません。使用した「攻撃補正」の分だけ、「攻撃補正」欄から消してください。

*「特化能力」
 兵隊それぞれに特化した能力が与えられています。この「特化能力」を使用して戦ったときは、その説明文に従って、「攻撃命中点」を算出してください。そして、使用した分の「弾薬」・「糧秣」・「救急パック」を「マンコビッチ 分隊能力値」欄から消してください。

②敵に与えた「攻撃命中点」の数が、敵の「戦闘力」以上であれば、目標を撃破したことになります。逆に下回っていれば、マンコビッチ 分隊が敗北したことになります。
 戦闘が終了したら、この戦いに参加した兵隊の「Level」アップと、敵から得た「経験値」を振り分けます。これは戦闘の勝敗に関係なく、おこなってください。
 戦闘に従事した各兵隊の「Level」欄(「兵隊カード」)を1マス、塗りつぶしてください。そして、敵が持っている「経験値」を、その「経験値」の分だけ、以下に挙げる、いずれかのマスに、振り分けて(塗りつぶして)ください――「分隊Level」・「攻撃補正」・「弾薬」・「糧秣」・「救急パック」、または、7名いる兵隊のいずれかの個人「Level」

*例――マンコビッチ 軍曹とウンチーニ 一等兵が参加した、対 暴徒 戦に勝利した。マンコビッチ 軍曹とウンチーニ 一等兵は、それぞれ1つずつ、「Level」が上がる。そして、暴徒から得た「経験値」1を、マンコビッチ 軍曹の「Level」に振り分けた。
 マンコビッチ 軍曹は、戦闘に参加したことによって得た1つ分の「Level」アップと、敵から獲得した「経験値」1を、さらに自身の「Level」アップに振り分けたことによって、計2つ分の「Level」アップを果たす。

*戦闘の勝者
 ①に戻って、全9戦を終えるまで、この一連の流れをリピートしてください。

*戦闘の敗者
 上記②の作業を終えたら、さいころを1回、振ってください。出た目が、この戦闘における負傷者となり、その彼は「戦線離脱者」の認定を受けます(「戦線離脱者」になる出目は、各兵隊カードに記載)
 「戦線離脱者」になると、この兵隊は以後、二度と戦闘に参加することができなくなります。そして、この兵隊の「Level」が、今後、上がることはありません。ただし、衛生兵のウンチーニ 一等兵が本戦闘に参加していて、かつ、「救急パック」を所持していたら、これを防ぐことが可能です。「救急パック」1つ分の消費と引き換えに、「戦線離脱者」の傷を治すことができます(以後の戦闘に、この兵隊は参加することができます)。しかし、「戦線離脱者」がウンチーニ 一等兵だった場合は、この救済措置はおこなえません。これ以降、ウンチーニ 一等兵は、「戦線離脱者」となり、二度と戦闘に参加することができなくなります。また、そうして、ウンチーニ 一等兵を欠くと、その後の戦闘に大きな影響が出ます。ウンチーニ 一等兵が「戦線離脱者」になっているので、「救急パック」を所持していても、一切、使うことができなくなるからです。
 なお、さいころを振って、「戦線離脱者」を決める際に、すでに「戦線離脱者」・「戦死者」(バカチン 上等兵。詳細、同人の兵隊カード)になっている兵隊の目が出たときは、「戦線離脱者」や「戦死者」(バカチン 上等兵。詳細、同人の兵隊カード)ではない兵隊の目が出るまで、さいころを振り直してください。
 以上の敗戦処理を終えたら、また①に戻って、全9戦を終えるまで、戦闘を繰り返してください。

③個々の戦闘の勝敗に関わりなく、全9戦を終えたら、ゲームオーバーです。
 総合得点の計算に移ります。
 各戦闘における、「攻撃命中点」と「戦闘参加点」を全て足し、全9戦の合計得点を算出してください。そして、「分隊Level」・「攻撃補正」(残り数)・「弾薬」(残り数)・「糧秣」(残り数)・「救急パック」(残り数)、各兵隊の個人「Level」の合計数(「戦線離脱者」&「戦死者」をのぞく)を、上記の得点に加えてください。
 また、以下の条件に従って、さらに加点します。

◇全ての戦闘に勝利していたら……30点

◇全9戦終了時、「戦線離脱者」&「戦死者」が1人もいなかったら……50点

*例――第9戦目となる、オナラスカ 大尉との戦闘において、1名の「戦線離脱者」を、本ゲーム中、はじめて出してしまった。しかし、ウンチーニ 一等兵の「救急パック」を使用して「戦線離脱者」を戦線に復帰させた……セーフ、50点獲得。

◇「戦線離脱者」と「戦死者」をのぞく、現在、健常な兵隊の「戦闘参加点」の合計点

*例――5名が無事で、バカチン 上等兵が「戦死者」、コーマン 上等兵が「戦線離脱者」に認定されていたら……計41点

 以上、全ての計算が終わったら、「メーンシート」の下部に載っている「ゲーム終了後の総合得点」欄に、その数値を記入してください。
 この総合得点によって、以下の4つのシナリオに分岐します。

◆シナリオ1「閉ざされた未来」(850点未満)
 □(チェック欄。クリア後、塗りつぶす)

◆シナリオ2「闇討ち」(850点~949点)
 □(チェック欄。クリア後、塗りつぶす)

◆シナリオ3「上官殺し」(950点~999点)
 □(チェック欄。クリア後、塗りつぶす)

◆シナリオ4「新たなる任務」(1000点以上)
 □(チェック欄。クリア後、塗りつぶす)


五、登場人物・恐竜などの紹介

◎マンコビッチ 軍曹(Sgt.Mankovitch) 罪状――抗命罪
 年齢28歳。元地球連邦軍中尉。元歩兵第69連隊第7中隊の中隊長。
 直属上官であるオナラスカ 大尉と、その腰巾着であるバカ 少尉が、軍の物資を横流しして私腹を肥やしていることを知って、マンコビッチ 中尉は彼らを告発する。しかし、その動きを察知したオナラスカ 大尉とバカ 少尉に、くだんの告発状を握りつぶされ、あべこべに、抗命の罪状をでっち上げられる。
 マンコビッチ 中尉は中隊長の任を解かれ、下士官への降級処分を受ける。また、歩兵第69連隊内に新設された懲罰部隊「Sex Bazookas」への転属を命じられる。
 マンコビッチ 中尉は、下士官に落とされたとはいえ、M1911(拳銃)だけを腰に差して兵を指揮する。その「下士官」らしからぬ、将校然とした、たたずまいは、マンコビッチ 中尉なりの抵抗の証しだといわれている。

◎オチンコ 伍長(Cpl.Ochinko) 罪状――暴行脅迫罪
 年齢36歳。元地球連邦軍准尉。元歩兵第69連隊第7中隊の中隊付准尉。
 マンコビッチ 中尉の中隊長解任と降級処分に激怒し、連隊本部付将校のバカ 少尉に鉄拳を食らわす。この行為によって、オチンコ 准尉は暴行脅迫罪に問われ、マンコビッチ 中尉に続いて降級処分を受ける。そして、懲罰部隊「Sex Bazookas」への転属を命じられる。
 オチンコ 准尉は、マンコビッチ 中尉の懐刀(ふところがたな)として、常にその傍らにある。懲罰部隊に飛ばされた今も、それは変わらない。
 オチンコ 准尉は、よくこう言っている。
「俺はあの人が、見習小僧だった頃から知っている。生意気で、間抜けで、童貞で、哲学と詩を愛する、いけ好かないインテリだった。そんな学生上がりのひよこを、准士官である、この俺が、一人前に育てたんだ。しかし、今ではどうだい。俺はあの人――いや、中隊長殿から、毎日のように小言を頂戴している。すっかり、立場が逆転しちまった。階級や役職のことを言ってるんじゃねえぞ、人間の格の違いについて、言ってるんだ。まあ、そうは言っても、俺の教育がよっぽどよかったんだろうな。『尉官の善しあしは准尉の善しあしで決まる』。これ、俺の名言な。つまり、みんな、俺の手柄ってわけだ――おいっ、そこの左翼の兵隊、何だ、その顔は。文句あんのか。外を走らせるぞ、ばかもん!」

◎コーマン 上等兵(Pfc.Corman) 罪状――侮辱罪
 年齢24歳。元地球連邦軍伍長。元歩兵第69連隊第7中隊の副分隊長。
 俗に「マンコビッチ事件」といわれる、捏造(ねつぞう)された抗命事件を看過できず、コーマン 伍長はオナラスカ 大尉に直訴――強く抗議する。しかし、その発言の揚げ足を取られて、侮辱罪に問われる。
 コーマン伍長は、マンコビッチ 中尉らとともに降級処分を受け、懲罰部隊「Sex Bazookas」への転属を命じられる。
「言いたいことは言うべきだ。言うべきときに何も言えないやつは男じゃない。ましてや、俺は軍人なんだぞ」
 と、コーマン 伍長は述べている。

◎バカチン 上等兵(Pfc.Bakatin) 罪状――逃亡罪
 年齢22歳。元地球連邦軍伍長。元歩兵第69連隊第7中隊の副分隊長。
 先におこなわれた、反地球連邦ゲリラとの戦闘において、バカチン 伍長は負傷し、療養を余儀なくされる。そして、後に、この戦いにおいて、「敵前で逃げ出した」との、ありもしない、ぬれぎぬを着せられる。
 バカチン 伍長は降級処分を受け、懲罰部隊「Sex Bazookas」への転属を命じられる。
「バカチンは役に立たない負傷兵だ。懲罰部隊編成のための員数合わせとして、やつは貧乏くじを引かされたんだ」
 などと、隊内で、うわさされている。

◎御手洗 一等兵(Pv2.Mitarai) 罪状――軍用物損壊罪
 年齢21歳。元地球連邦軍上等兵。元歩兵第69連隊第7中隊の通信兵。
 「マンコビッチ事件」に激高した御手洗 上等兵が通信機に蹴りを入れる。この行為がバカ 少尉の眼前でおこなわれたために、御手洗 上等兵は軍用物損壊罪に問われる。
 彼は一等兵に格下げされ、懲罰部隊「Sex Bazookas」への転属を命じられる。
 御手洗 上等兵は、こう述べている。
「望むところだ。俺は中隊長殿とともに、このでっち上げと戦うぞ。いつか、必ず、オナラスカとバカに鉄槌(てっつい)を下してやる」

◎ウンチーニ 一等兵(Pv2.Uncini) 罪状――略奪罪
 年齢23歳。元地球連邦軍上等兵。元歩兵第69連隊第7中隊の衛生兵。
 オナラスカ 大尉の愛人とは知らずに、ウンチーニ 上等兵は、町で知り合った若いブロンド女性と関係を持つ。
 ほどなくして、オナラスカ 大尉の怒りを買ったウンチーニ 上等兵は、身に覚えのない略奪罪に問われ、一等兵に格下げされる。そして、懲罰部隊「Sex Bazookas」への転属を命じられる。
 この処分に対して、ウンチーニ 上等兵は、
「略奪罪とは言い得て妙だ。俺は確かに、オナラスカの女を奪ってやったよ、身も心もな」
 と、固い表情で述べている。

◎アホネン 一等兵(Pv2.Ahonen) 罪状――違令罪
 年齢25歳。元地球連邦軍上等兵。元歩兵第69連隊第7中隊の擲弾筒手。
 懲罰部隊「Sex Bazookas」が編成される、直前の出来事である。
 公用から戻ったアホネン 上等兵が、営門を通過しようとすると、歩哨にとがめられる。バカ 少尉の命令によって、ちょろまかした、軍の物品を、アホネン 上等兵が隠し持っていたからだ。
 この「公用」というのは、失敬した参謀接待用の高級酒を、オナラスカ 大尉宅(営外)に持っていく、「セコイつけ届け」だったのだが、あいにく、オナラスカ 大尉夫人が家を空けていたために、ブツを持ち帰ってきたのだった。
 行きは軍服の下にうまく隠していたのだが、帰営時に露呈するとは、ヘマをやった……。
 しばらくの間、アホネン 上等兵は、歩哨と押し合いになる。
 断ることのできない、上官の指示によるパクリであって、アホネン 上等兵に非があるとは言い難かったからだ。
 そんなとき、偶然、バカ 少尉が現場を通りがかる。アホネン 上等兵は、バカ 少尉に、ことを収めてもらおうと目配せする。しかし、バカ 少尉は、われ関せず、という態度で、こう怒鳴る。
「哨兵、何をしておるか! 直ちに、この不良兵を引っ捕らえろ!」
 結局、盗み出した物品については、バカ 少尉が関与していたので、うやむやになったが、歩哨と押し問答したことが問題になった。
 後にアホネン 上等兵は違令罪に問われて降級処分を受ける。そして、懲罰部隊「Sex Bazookas」への転属を命じられる。

◎バカ 少尉(2nd Lt.Baca)
 年齢26歳。元歩兵第69連隊の連隊本部付将校。
 オナラスカ 大尉とともに軍の物資を転売して、ひともうけしている悪漢。
 現在は、歩兵第69連隊内に新設された懲罰部隊「Sex Bazookas」の副隊長職にある。
 さて、バカ 少尉は、マンコビッチ 中尉と同じ応召士官――「非現役」である。そして、バカ 少尉の狷介(けんかい)の性が、アルバイト将校(応召士官)という弱みに加わる、さらなる難点になったことから、彼は全く、出世に縁遠い立場にあった。
 バカ 少尉は、次第に屈折していき、いつしか、悪の道を歩むようになる。
 本来なら、懲罰部隊の副隊長職など、名誉なことではないのだが、連隊の目が届きにくいことから、物資の横流しをするには都合がよかった。バカ 少尉は喜んで、懲罰部隊の副隊長に就く。
 ちなみに、懲罰部隊「Sex Bazookas」は、敵の矢面に立たせるための捨て駒である。独立第072小哨などは、この捨て駒部隊の、さらなる前衛に放逐された小哨だった――マンコビッチ 分隊は、暴れ回る恐竜たちの足止め役として、独立第072小哨に捨て置かれたのである。
 常日頃、マンコビッチ 中尉をライバル視していたバカ 少尉にとって、これほど、喜ばしいことはない。くせ者ばかりの囚人兵たちが死んでしまえば、商売の邪魔者が消える。
 バカ 少尉は、今か今かと、マンコビッチ 分隊の玉砕報告を待ち受けていた。しかし、そのもくろみは外れる。マンコビッチ 分隊は、恐竜を次々に屠り(ほふり)、ついに連隊の撤退命令が出るまで生き残ってしまう。
 歩兵第69連隊をはじめとする、同方面の地球連邦軍の戦況は芳しくなく、マンコビッチ 分隊の奮戦をよそに、戦線の縮小が図られたのだった。
 やがて、マンコビッチ 分隊は、「Sex Bazookas」の隊本部に出頭する。
 恐竜が刻一刻と迫り、突然の転進命令によって、隊全体はごった返していた。そうした中、マンコビッチ 分隊の帰隊報告がおこなわれる。
 あぜんとする、バカ 少尉とオナラスカ 大尉。
 そして、この2人がハッとした瞬間、マンコビッチ 分隊の銃口が一斉に、バカ 少尉とオナラスカ 大尉に向けられたのだった。

◎オナラスカ 大尉(Cpt.Onalaska)
 年齢30歳。元歩兵第69連隊第2大隊付将校。
 カーチス・ルメイ 大統領の娘を妻にめとったことから、顕然たる権力を有するようになった悪党。
 オナラスカ 大尉の心証を害すれば、どんな仕打ちを受けるか分からないので、将軍クラスの者でさえ、彼に意見することはできない。バカ 少尉などは、その権勢にこびて、腰巾着のようにつきまとっているほどである。
 現在、オナラスカ 大尉は、歩兵第69連隊内に新設された懲罰部隊「Sex Bazookas」の隊長職にある。
 オナラスカ 大尉は、この集められた囚人兵をおもちゃのように扱う。生殺与奪の権限を意のままに振るって、気に入らない兵を死地に送り込む。そうした、オナラスカ 大尉の好き放題は、とどまるところを知らない。物資の横流しをはじめとする、ありとあらゆる悪事にも、オナラスカ 大尉は精を出す。マフィア顔負けのやり口である、と、うわさが立つほどである。しかし、オナラスカ 大尉の暴走を止める者はいない。軍の上層部も憲兵も、見て見ぬ振りをしていた。
 結果として、オナラスカ 大尉が、「恐竜の襲撃によって武人の本懐を遂げる」(?)まで、彼の悪行が鳴りをひそめることはなかった。
 オナラスカ 大尉の最期をみとったという、マンコビッチ 元中尉(軍曹。「Sex Bazookas」隊所属。独立第072小哨長)は、こう語っている。
「隊長殿らしい、壮烈な戦死でした。ルメイ 大統領閣下のお気持ちを察すると、居たたまれません」

◎歩兵第69連隊
 地球連邦軍の母体となった旧アメリカ軍は、第2次世界大戦の終結以降、一部の部隊をのぞいて、連隊の編制を廃止する。
 旅団の下にある連隊をすっ飛ばして、大隊を置く編制にしたのである。一昔前の戦争ではあるまいし、諸兵科が連合して戦う近代戦においては、歩兵連隊が単独で敵と対峙(たいじ)する状況は考えづらくなっていたのだ。しかし、地球連邦と地球連邦軍の成立に伴って、第2次世界大戦当時の旧アメリカ軍の編制に近いものに制度が戻る。連隊の編制が復活したのである。これは、世界規模の軍隊を設立するに当たって、連邦諸国の軍隊をそのまま、地球連邦軍として取り込んでいった経緯が関係している。
 いまだ、連邦諸国は、連隊編制が主流であり、この連隊という組織単位の絆は根強かった。旧アメリカ軍が世界標準に合わせる方が合理的だったのだ。そして、この過程において、当初、旧アメリカ軍の影響が著しかった地球連邦軍は、だんだんと独自の文化や制度を確立していく。
 オーストラリアに駐屯する地球連邦軍と、その指揮下にある歩兵第69連隊も、旧アメリカ軍の伝統を受け継ぎながら、他方で独特の個性をにじませる。
 旧オーストラリア軍を基幹とする、在オーストラリアの地球連邦軍は、各歩兵連隊に懲罰部隊を置くことが多かった。通常、この懲罰部隊は、一個中隊以上、数個中隊未満で編成され、隊の長は尉官、その補佐(副長)として、尉官もしくは、准士官の中の上長(上級の准尉)が就いた。
 しかし、公式には、この懲罰部隊は存在していないことになっている。表面上は、連隊に所属する、どこにでもある一部隊であり、それ以上でもそれ以下でもない、と、されていた。歩兵第69連隊の懲罰部隊「Sex Bazookas」の隊名も、単なる通称であり、隊の名の入った部隊章なども正式なものではないという。
 民主主義国家を装う地球連邦としては、全体主義国家に見られるような懲罰部隊の存在を、強く否定する。
 さながら、かつての共産主義国が、誰一人として共産主義の理想など信じていないのに、その見かけだけを取り繕うために、うそで全てを塗り固めたようなものである。
「自由と平等を守る、わが地球連邦軍に懲罰部隊のようなものは存在しない。反地球連邦ゲリラが流すデマである」
 これが在オーストラリアの地球連邦軍の公式見解である。

◎懲罰部隊「Sex Bazookas」
 在オーストラリアの地球連邦軍は、各歩兵連隊に懲罰部隊を設けることが多かった。しかし、歩兵第69連隊は、この通例にもれていて、指揮下に懲罰部隊を有していなかった。このことに不満を抱いていた、オナラスカ 大尉は、ルメイ 大統領の義理の息子であるという、顕然たる権力を駆使して、懲罰部隊の創設を謀る(はかる)
 やがて、オナラスカ 大尉の提言は軍に承認され、歩兵第69連隊は、連隊結成以来、初となる、懲罰部隊「Sex Bazookas」を編成することとなる。そして、オナラスカ 大尉は、同隊の初代隊長に就く。オナラスカ 大尉が言い出しっぺだから、というのが、主たる選任の理由だそうだが、誰もそれを信じていない。懲罰部隊の長という、ある種の治外法権的な立場を利用して、種々の闇商売をやりやすくしたかったのだろう、などと、連隊でささやかれている。事実、懲罰部隊の創設に当たって、連隊から集められた人員は、上官に覚えの悪い者ばかりだった。
 懲罰部隊を闇商売の隠れみのとするには、「上官の不正を告発する面倒な者たち」を最前線に送って、処分してしまうのが望ましい。死人に口なし、とは言ったものである。
 つまり、
「不法行為の隠れみの、である懲罰部隊」
 という前提と、
「懲罰部隊送りという手段によって、好ましくない者たちを最前線で死に追いやる」
 という、もくろみは、両輪をなしていたのだ。
 決して、公(おおやけ)に指摘されることはないが、「Sex Bazookas」隊は、旧ロシア軍の懲罰部隊と、よく似ている。
 ――各地から集められた、軍紀違反者や囚人などが、ろくな武器を持たされずに最前線に放り込まれる。
 ――その哀れな兵たちの背後には、銃を構えた督戦隊(とくせんたい)がいて、逃げ出す者を容赦なく撃ち殺す。
 かつての赤軍などに見られた、救いのない光景が、ここオーストラリアのクィーンズランド州に位置する小さな町――エロマンガにおいても、見受けられたのだった。
 さて、第2次世界大戦が終わってから20数年もたつ。しかし、「Sex Bazookas」隊に与えられた兵器は、WW2当時のものだった。
 「Sex Bazookas」隊は、M1ガーランド(小銃)などの骨董品(こっとうひん)でもって、日々、勇戦する。
 唯一、マンコビッチ 分隊においては、通信兵の御手洗 上等兵が背負う通信機だけが、地球連邦軍の歩兵中隊(中隊本部)で使用しているものと遜色のない現行品といえた。しかし、この通信機は、恐竜や反地球連邦ゲリラの動きを確実、かつ、いち早く、本隊に報告するためのものにすぎなかった。
 本隊の目となって情報を発信し続け、いずれは、草むす屍(かばね)となることを、マンコビッチ 分隊は運命づけられていたのだった。

◎暴徒
 突如、出現した恐竜によって、地球連邦は大混乱に見舞われる。この影響によって、生活基盤を破壊された一部の住民が暴徒と化し、略奪や破壊行為が公然とおこなわれるようになった。
 地球連邦軍は、連邦警察と足並みをそろえて、暴徒化した住民の鎮圧に当たらざるを得なくなる。
 暴徒を放置しておけば、その彼らの動きは、容易に、反地球連邦ゲリラと結びつくことから、徹底的な弾圧がおこなわれた。少しでも、反地球連邦につながる行為と認められれば、町や村が丸ごと壊滅させられることも珍しくなかった。

◎反地球連邦ゲリラ
 自由と平等をうたっている地球連邦ではあるが、事実上、世界は、アメリカ一国による恐怖政治の支配下にある。
 無制限の、大空襲と原水爆投下をおこなって、世界を恐怖のどん底に陥れた、旧アメリカ軍の「英雄」――カーチス・ルメイが、独裁者として君臨するディストピア……。
 それが地球連邦の真の姿である。
 強制収容所、大虐殺、言論統制、人種差別など、ありとあらゆる悪徳に満たされた、この暗黒世界を引っ繰り返さんと、地球連邦の成立と、ときを同じくして、反地球連邦ゲリラが結成される。この抵抗運動は世界各地に広がり、皮肉にも、地球連邦の中心であるアメリカが、一番激しい闘争の場となった。
 反地球連邦ゲリラの指導者――ジョン・F・ケネディの指揮のもと、反地球連邦ゲリラは、日々、地球連邦軍と干戈(かんか)を交える。地球連邦軍に比べて、反地球連邦ゲリラの力は微々たるものではあるが、徐々に勢いを増している。しかし、そんなとき、予想外の事態が起こる。
 恐竜の出現である。
 当初、地球連邦は、この凶悪極まる古代生物の爆発的な発生は、反地球連邦ゲリラが地球連邦を打倒するために開発した生物兵器(恐竜)であると喧伝(けんでん)した。しかし、恐竜の発生源と見られる地域は、明らかに地球連邦の勢力下にあると思われることから、次第に、この主張は怪しげなものとなる。第一、反地球連邦ゲリラに、生物兵器(恐竜)を開発するための資金や能力があろうはずもない。
 現在では、地球連邦が開発した生物兵器(恐竜)が暴走し、それが世界中に広まった、というのが、定説になっている。もちろん、地球連邦の市民がそんなことを公(おおやけ)の場で口にすれば、即、強制収容所送りとなったことは言うまでもない。

◎パラサウロロフス
 白亜紀後期の北アメリカに生息した恐竜。全長10~13メートル。体重4トン。
 戦闘力が15しかないことから、序盤戦で戦うことになる。
 マンコビッチ 分隊の「分隊Level」を上げたり、個人の「Level」を上げたりするのに最適な敵といえる。

◎ステゴサウルス
 ジュラ紀後期から白亜紀前期のアメリカに生息した恐竜。全長6.5メートル。体重3.5トン。
 序盤戦の山場となる敵。
 戦闘力が30もあるので、コーマン 上等兵の特化能力【外殻砕き】を使わなければ、苦しい戦いになるかもしれない。
 注意点としては、コーマン 上等兵の【外殻砕き】は、Level.3以上でないと使用できないことだ。ステゴサウルスとの戦闘になる前に、コーマン 上等兵をLevel.3以上に育てる必要がある。

◎プテラノドン
 白亜紀後期の、北アメリカや日本に生息した恐竜。全長7~8メートル。体重15~20キログラム。
 ステゴサウルスと同じく、序盤戦における手ごわい敵。
 戦闘力が32あるので、場合によっては、アホネン 一等兵の特化能力【噴進砲】を使用しなければ勝てないかもしれない。
 アホネン 一等兵の特化能力を用いたくなければ、御手洗 一等兵の特化能力【砲撃要請】を使ってもよい。ただし、御手洗 一等兵の特化能力は、Level.3以上でないと使用できない。早めに、御手洗 一等兵を育てる必要がある。

◎トリケラトプス
 白亜紀後期のアメリカ北西部に生息した恐竜。全長8メートル。体重9トン。
 中盤戦の強敵。
 コーマン 上等兵の特化能力【外殻砕き】を使って、トリケラトプスの戦闘力40を超えるようにしたい――もちろん、「分隊Level」が充分にあって、さいころの目に恵まれれば、通常攻撃のみで倒すことも可能である。
 序盤戦からよく考えて、能力値の振り分けや戦闘参加者を決めよう。

◎ブラキオサウルス
 ジュラ紀後期の、北アメリカやアフリカに生息した恐竜。全長20~25メートル。体重30~50トン。
 終盤戦の強敵。
 マンコビッチ 分隊の総力を挙げて戦闘に臨もう。戦闘力が55もあるので、アホネン 一等兵の特化能力【噴進砲】を使う必要があるだろう。御手洗 一等兵の特化能力【砲撃要請】を使うのは無論のこと、場合によっては、オチンコ 伍長の特化能力【銃剣術】を用いて、効果的にダメージを与える方法もある。しかし、オチンコ 伍長の特化能力【銃剣術】は、オチンコ 伍長の個人「Level」の高低がダメージを左右する。このときに備えて、オチンコ 伍長を序盤から戦闘に参加させて、個人「Level」を上げておくか、各戦闘の終了後にもらえる経験値を彼の個人「Level」に存分に振り分けておかなければならない。
 最終手段としては、マンコビッチ 軍曹の特化能力【突撃命令】か、バカチン 上等兵の特化能力【特攻】を使ってもよいが、この2つの特化能力は、弾薬と糧秣を多量に消費する。また、バカチン 上等兵の特化能力【特攻】は、バカチン 上等兵の「戦死」が前提となるために、その後の対バカ 少尉戦および対オナラスカ 大尉戦において支障をきたす。
 マンコビッチ 軍曹の特化能力【突撃命令】と、バカチン 上等兵の特化能力【特攻】は、温存しておくのが賢明だろう。

◎エロマンガサウルス
 白亜紀前期のオーストラリアの海中に生息した恐竜。全長10メートル。
 最終決戦で戦うことになる恐竜。
 戦闘力が88もある、本ゲーム中の最強の敵。しかし、4つのシナリオをクリア(*後述)した猛者であれば、必勝法はいくらでも思いつく。
 意外と難なく、倒すことができるかもしれない。

◎カーチス・ルメイ大統領(Curtis Emerson LeMay)
 第2次世界大戦中の東京大空襲などにおいて、老若男女を大虐殺する悪行で名が売れた、旧アメリカ軍の将官。旧日本や旧ドイツなどでは、「皆殺しのルメイ」と呼ばれて忌み嫌われたが、アメリカでは功労者として、たたえられる。
 ルメイは後に、米ソ戦争(第3次世界大戦)において、無差別の原水爆投下作戦の指揮を執り、共産主義国の都市のほとんどを消滅させる。
 そうして、アメリカの敵を全て排除したルメイは軍を退き、人種隔離政策をうたう極右政党「アメリカ独立党」の大統領候補として立候補することとなる。
 果たせるかな、アメリカ国民の絶大な支持を集めて、ルメイはアメリカ大統領に就任する。
 ルメイが大統領となった後、ほどなくして、地球連邦が誕生する。彼はアメリカの大統領職と兼任して、地球連邦の初代大統領に収まる。
 これが、後の世に語り継がれることになる、暗黒時代の幕開けであった。

◎ジョセフ・マッカーシー副大統領(Joseph McCarthy)
 反共産主義の急先鋒(きゅうせんぽう)として、悪名を轟かせた(とどろかせた)元共和党議員。米ソ戦争(第3次世界大戦)の後に、「アメリカ独立党」にくら替えして、ルメイの腹心となる。
 地球連邦の成立後は、地球連邦の初代副大統領に就任する。
 赤狩りの手腕を高く評価されたマッカーシーは、現在、反地球連邦ゲリラのシンパ狩りを大規模に進めている。
 彼の思うままに、徹底的な弾圧を受けた者は数知れず……。著名人も例にもれず、良心的な人々の多くが強制収容所に放り込まれて、人生を奪われた。
 大酒飲みであることから、マッカーシーの私生活は、相当、だらしなかった。地球連邦の副大統領に就任すると、彼の悪癖は、さらにひどくなった。この頃から、マッカーシーの怠惰につけ込むやからが彼を取り巻くようになる。不正や賄賂が横行し、その様相は、紛れもない独裁国家のそれを思わせた。
 マッカーシーは、地球連邦の不道徳を代表する、人でなしとして、歴史に名をとどめることとなる。

◎ジョン・F・ケネディ(John Fitzgerald Kennedy)
 ケネディは、第2次世界大戦において、旧アメリカ軍の魚雷艇PT-109の艇長として従軍する。彼はその当時、旧日本軍の駆逐艦・天霧(あまぎり)に魚雷艇を沈められて、名も知れぬ小島に命からがら流れ着く、という体験をしている。
 戦後は政治家の道を志して、民主党の上院議員にまで上り詰める(1960年におこなわれた大統領選挙にケネディは出馬しているが、対抗馬のR・ニクソンに、あえなく敗れている)
 政治家としてのケネディは、穏健なリベラル派に属する。しかし、マッカーシーに理解を示す、赤狩りの支持者、という一面もあった。マッカーシーの行き過ぎた反共思想を弾劾する問責決議案が議会に提出されたときには、病気を理由にして投票を棄権するほどだった――結局、マッカーシーの問責決議案は否決されて、マッカーシーの横暴がやむことはなかった。
 反地球連邦ゲリラのリーダーとしてケネディが選ばれたとき、
「マッカーシーの問責決議案が提出されたとき、私は投票をサボタージュした。それを今でも悔いている」
 と、彼は就任演説において、そう述べている。
 ほかにも、ケネディには、クリーンとはいえない、種々の問題が取りざたされることがある。度重なる女性問題やマフィアとの親しい関係、などである。しかし、米ソ戦争(第3次世界大戦)が起こると一変、原水爆投下による無差別大量虐殺に真っ向から異議を申し立てる。人種差別問題に対しても、ケネディは常に、進歩的な態度を堅持し続けた。
 地球連邦の成立後は、全世界に点在する反地球連邦組織のリーダーとなって、地球連邦打倒を掲げるようになる。
 いまだ、反地球連邦ゲリラの勢力は微々たるものではある。しかし、ケネディは不眠不休で、反地球連邦運動の指導をおこない、着々と成果を収めつつある。


六・年表

1962年 10月
米ソ戦争勃発(第3次世界大戦)
1962年 11月
アメリカ軍による、無制限の原水爆投下作戦によって、共産主義国の主要都市が灰燼(かいじん)に帰す。
1963年 6月
アメリカ、地球連邦条約機構を提唱、地球連邦条約機構軍(旧地球連邦軍)が誕生する。
1963年 同月
オーストラリア、地球連邦条約機構軍(旧地球連邦軍)に参加する(このとき、歩兵第69連隊も編制される)
1968年 12月
地球連邦条約機構軍(旧地球連邦軍)、旧共産主義国の残党を壊滅させる(第3次世界大戦の完全な終結。〈地球連邦構想〉が現実化する)
1969年 1月
「アメリカ独立党」から出馬したカーチス・ルメイが、アメリカ合衆国大統領として選ばれる。
1969年 2月
地球連邦および地球連邦軍(新地球連邦軍)が成立。地球連邦大統領としてカーチス・ルメイが、そして、地球連邦副大統領としてジョセフ・マッカーシーが、それぞれ選ばれる。
1969年 同月
反地球連邦ゲリラが結成され、リーダーとして、ジョン・F・ケネディが選ばれる。
1969年 3月
生きた恐竜が発見される、との古生物学上の大ニュースがアメリカで報道される。
1969年 5月
突如として世界各地に恐竜が出現、地球連邦は大混乱に見舞われる。
1969年 9月
歩兵第69連隊内に懲罰部隊「Sex Bazookas」が編成される。
1969年 同月
懲罰部隊「Sex Bazookas」に属する、マンコビッチ 分隊が、独立第072小哨(しょうしょう)の警備に就く。



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